本書はHSP(Highly Sensitive Person)の研究者である著者が、
科学的根拠に基づいてHSPの情報を示す書である。
HSPという言葉は、2020年頃からマスメディアや自己啓発本、
SNSなどを通じて急速に広まり、現在ではHSPに関わる様々な情報が
あふれかえっているが、その多くは科学的根拠のないものであり、
信頼性の低い情報に惑わされず、HSPを正しく理解してほしい
という点が本書の出発点である。
本書の構成は、まず第1章でHSPをめぐり世間に溢れかえっている
情報の中で代表的なものを取り上げ、それが科学的根拠に基づかない
信頼性の低いものであることを示す。
第2章から第4章では、科学的根拠に基づいてHSPとは何か
ということを示している。一言でまとめると「環境感受性が高く、
良くも悪くも環境の影響を受けやすい人」ということになる。
第5章は環境を改善するヒントについて書かれており、
「HSPだから生きづらくても仕方がない」ではなく、
HSPが環境から影響を受けやすい人である以上、環境を改善することで
良い影響を受けることも可能ということに基づいて、
ストレスへの対処法や、折れない心(レジリエンス)を高める手法、
自分の心に客観的に向き合うことなどが書かれている。
何より重要なのは、HSPだと自己診断せずに、日常生活に支障が
出るほどの「生きづらさ」を抱えているならば、精神疾患や発達障害の
可能性もあるため、専門家に相談したり、治療を受けたりした方が
良いという点だと思われる。
本書は科学的根拠に基づいてHSPについて書かれており、
世間に溢れかえる「HSPあるある」のようなものとは
一線を画す良書である。
一方で、世間に溢れかえるHSPの情報によって安らぎを得ている人にとっては、
物足りず、不満な内容に感じるのではないかと思われる。
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HSPの心理学 Kindle版
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概念が独り歩きしておりエビデンスからの逸脱も散見されるHSP。その現状の問題点を整理し理解を深めるための1冊。
- 言語日本語
- 出版社金子書房
- 発売日2022/11/30
- ファイルサイズ9.8 MB
登録情報
- ASIN : B0BQ2QCH59
- 出版社 : 金子書房 (2022/11/30)
- 発売日 : 2022/11/30
- 言語 : 日本語
- ファイルサイズ : 9.8 MB
- Text-to-Speech(テキスト読み上げ機能) : 有効
- X-Ray : 有効にされていません
- Word Wise : 有効にされていません
- 本の長さ : 187ページ
- Amazon 売れ筋ランキング: - 272,637位Kindleストア (Kindleストアの売れ筋ランキングを見る)
- - 5,915位心理学 (Kindleストア)
- - 6,615位心理学入門
- - 7,064位心理学の読みもの
- カスタマーレビュー:
著者について
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1991年生まれ。茨城県出身。2019年、中央大学大学院博士後期課程修了。博士(心理学)。日本学術振興会特別研究員PD(東京大学)を経て、2022年より創価大学教育学部専任講師。専門は発達心理学。研究テーマは、思春期・青年期の環境感受性。日本心理学会研究教育委員会(博物館小委員会)委員、日本青年心理学会国際研究交流委員、『Humanities & Social Sciences Communications』編集委員。主著に『HSPブームの功罪を問う』(岩波書店、単著)、『HSPの心理学:科学的根拠から理解する「繊細さ」と「生きづらさ」』(金子書房、単著)、『HSP研究への招待:発達、性格、臨床心理学の領域から』(花伝社、編著)、『高校進学でつまずいたら:「高1クライシス」をのりこえる』(筑摩書房、単著)など。
カスタマーレビュー
星5つ中3.9つ
5つのうち3.9つ
24グローバルレーティング
評価はどのように計算されますか?
全体的な星の評価と星ごとの割合の内訳を計算するために、単純な平均は使用されません。その代わり、レビューの日時がどれだけ新しいかや、レビューアーがAmazonで商品を購入したかどうかなどが考慮されます。また、レビューを分析して信頼性が検証されます。
上位レビュー、対象国: 日本
レビューのフィルタリング中にエラーが発生しました。ページを再読み込みしてください。
- 2023年5月28日に日本でレビュー済みAmazonで購入
- 2022年12月8日に日本でレビュー済みAmazonで購入可愛い表紙とは裏腹に、本格的な内容。
本書の著者 飯村周平氏は日本でも数少ないHSPを科学的に論じることのできる人物だ。
正しいHSPの理解の為にも「japan sensitivity research」というサイトを運営している。
HSPはそもそも病気ではない。にも関わらず生きづらさや「HSPは選ばれし者だ」というように、根拠がないどころか、全く誤った情報を流してビジネスをしている人間が多い状況だ。
あのSNSで人気のHSP系インフルエンサーも、あのHSPカウンセラーも、YouTubeやメルマガで発信しているあの人も、みんなダメじゃん ということが分かる。
現に飯村周平氏はそういったエセHSP専門家から攻撃されることもあるようだ。
本書は専門書ではありながらも、薄く、それでいて内容が大変分かりやすい。
とはいえ「本格的な専門書なんて読みたくもない」という人もいるだろう。
そういう人は、ぜひ第一章だけでも読んで欲しい。
巷のヤバいHSP専門家を避けることができる。それだけで2000円以上の価値がある。
オススメだ。
- 2023年8月4日に日本でレビュー済み「HSPが世の中では誤解されている」というのが筆者の主張であり、それに関する説明が本書の大半を占める。
「ネットやメディアでのHSPの取り扱いは間違っています」
「学術的な定義はこうです」
「正しい検査はこうです」
「歴史的な背景はこうです」
と、ひたすら学問としてのHSPの説明が繰り返されので教科書的であり、読み物しては退屈。
HSPは『環境からの影響を受けやすい』という点が強調されており、『ただ生きづらいだけではない』という着眼点はネガティブな印象を持たれやすいHSPに対して希望となるのではないか?と感じた。
しかし「ではHSPにふさわしい環境をどう作るか、どう生きやすい生活に結びつけるか」という疑問に対して具体的な案はまったく提示してくれない。
あくまでも教科書的なHSP関連の用語の説明に終始するのみ。
HSPに興味がある人は具体的な対応策こそが知りたいと思うのだが。
- 2023年1月16日に日本でレビュー済み装丁がわりと可愛らしいので、#HSPあるある系の本かと思いきや、意外や意外。
ブログやネット記事に数多くある「HSP」関連の内容とは一線を画す内容でした。
『積極型HSPという概念はそもそも医学的には存在しない』など、
HSPの特徴や定義について、かなり厳正に書いてあり、自分も誤認していたことに気付きました。
すごく勉強になる本です。
- 2022年11月17日に日本でレビュー済み専門家による、これまでのブログ感覚で説明されていた概念を丁寧に紐解かれています。
新興概念は誰にとっても聞こえの良いものですが、年数をかけ、研究によって知見は変化していきます。
正直、精神科の領域では、HPSはこれまでのDMS-5においても発達障害で説明がつくので、こういう本でしっかりと認識を改めていきたい。
- 2022年11月12日に日本でレビュー済みAmazonで購入HSPや繊細さんという心理学用語は昨今日本にも浸透しつつある。実際にHSPや繊細さんで検索すると、多くの情報サイトがヒットする。そこにはHSP本に書いてあるような「HSPの特徴はDOES」だったり、「エレイン・アーロン氏の提唱した概念」だとか、「刺激を軽減する方法」などの情報が記述されている。中には書籍にはないような記述も見られるだろう。
しかし、レポートに取り組んだ経験のある大学生にとっては周知の事実かもしれないが、Wikipediaなどネットのソースとしての信頼度は限りなく低い。私が在学する大学では、Wikipediaなどの作成者不明の記事、出典を明記していないサイトなど、ほとんどのネットソースを参考文献として認めないと資料に書いてあるほどだ。それならばネットに書かれているHSPに関する情報はほとんどが正しいのか不明確であると思うだろう。実際にネット記事に書かれているHSPについての情報は当人の体験談だったり、科学的根拠に基づいたものではないケースがあります。
「今まで自分が信じていた情報は誤りなのかもしれない」と混乱させてしまったであろうことはここに謝罪します。しかし、本書はそのような方々の不安を解消してくれます。本書は、HSPという用語の独り歩きや科学的知見からの逸脱を危惧して執筆された、いわば世の中のHSPに関する誤解を解くための1冊である。目次を見るとわかるが、HSPに関するよくある誤解を解くために第1章が丸々使われている。本書を読めば、HSPとはどのような人間か科学的エビデンスを土台にして正確に理解できると思います。
カバーイラストがチャーミングですが、タイトルに「心理学」とあるように専門的で高度な内容も少なからず登場するのではと勘の鋭い方ならば気づくでしょう。しかし心配は不要です。理解が難しそうな節は、著者が予め節タイトル横に「Advanced(発展)」と明記しているので安心して読み進められると思います。
最後に、ネットは誰が書いてあるかわからないこともあり、たとえ明記されていたとしても出典がなければ客観的には信頼できません。ネットの情報だけを信じないでください。出版されている書籍の方がソースとしての信頼度は高いです。しつこくなりますが、様々な情報が手軽に入手できるこのようなIT時代だからこそ、どんな些細な情報でも信頼できるか否かは自らで判断しなくてはならないので注意は怠らないで下さい。
補足
本レビューが2022年11月12日(発売日の2日前)に投稿されていることから「サクラか何かなのでは」と疑問に感じた方も多いと思うので一応最後に説明しておきます。結論から言うと、Amazonで予約注文したが何故か発売日よりも前に届いてしまったというのが今回の経緯です。私自身にも理由はわかりません。早く読めてラッキー程度に思っています。もちろんこれだけでは疑念が晴れていないのは重々承知していますが、私が本当にそうでないことはレビューの内容から判断してほしい。